三線ができるまで

繊細な職人技が求められる三線作り。 原木選びから数十年かけて仕上げることも珍しくないと言います。 1本の木が美しい音色を奏でる楽器へと 華麗に変身を遂げるまでの工程をご紹介します。

1. 三線の型を決める

三線の型を決める

三線には7つの型があり、型に応じて各部位の寸法が異なります。製作する三線の型が決まったら、図面と型紙を使って棹の正しい寸法を木材に書き写していきます。

2. 裁断・ヤスリがけ

裁断・ヤスリがけ

裁断した棹を木目に気をつけながら切り出し、ヤスリがけを行います。棹上部の天の部分は、三線の型にも関係する重要な部分です。すべて手作業で仕上げた後はあらゆる角度から入念に確認し、全体的なバランスを整えます。

3. 仕上げヤスリ・塗り

仕上げヤスリ・塗り

漆を塗り、それを研ぐ作業を3回〜10回程度繰り返します。耐久性や柔軟性が高い漆を塗りこむことで見た目が美しく仕上がるだけではなく、乾燥によるひび割れなどを防ぐ効果もあります。

4. 皮を胴の形にする

皮を胴の形にする

三線の胴に合わせて蛇皮を切ります。釘で固定しながら胴の木枠に沿って丸みを作り、皮の裏に布テープを張って補強し、締め具に縫い付けます。

5. 胴に皮を張り上げる

胴に皮を張り上げる

皮張りは表と裏の2回に分けて作業していきます。皮の張り方のバランスは職人技が生かされる難しい作業のひとつだと言われています。その後、締め具にくさびを打ち込みます。打ち込む分だけ皮が引っ張られて伸びていくので、張り具合をこれで調整していきます。

調整・完成

6. 各部品を組み立て調整し、仕上げる

胴に皮を張り上げる

棹にカラクイをはめ、棹を胴に差し込みます。この「部当て」と呼ばれる組み立て作業が三線の音色に大きく影響するため、棹と胴の角度を丁寧に調整します。歌口をはめ、胴巻きと糸掛をつけた後にカラクイに絃を巻きつけ、最後に駒を立てたら完成です。