組合の取り組み

沖縄の芸能文化の中心的存在として今日まで脈々と受け継がれてきた三線。 その技と心を次の世代へ繋げていくため「普及」「育成」「品質」をキーワードに、 誇りと責任を持って組合活動に取り組みます。

普及

三線の情報発信事業

三線の魅力を、国内外に広く知ってもらえるよう活動しています。2013年にはフランスのパリで三線の展示と無料体験会を開催し、現地の三線サークル立ち上げを支援しました。
※支援(公財)沖縄県文化振興会

海外情報発信事業
海外情報発信事業

三線展示販売会

定期的に組合員の力作を一堂に集め、最大規模の展示即売会を開催しています。職人の手によって生み出された美しい三線を引き比べる事ができ、好評を得ています。
展示即売会

三線演奏体験

首里城で毎週土曜日に行われている無料の三線演奏体験会に協力しています。30分間で一曲(てぃんさぐぬ花)が弾けるよう丁寧に指導しています。幅広い世代の方から好評を得ています。
三線演奏体験

育成

後継者育成事業

現在、三線市場では海外から輸入される安価な三線が市場に溢れ、県内の職人によって製作される三線の流通量は、全体の1/4以下と言われています。従来、若手三線職人の仕事とされてきた低価格帯三線のシェアが奪われ、三線製作事業者が若手職人の雇用・育成が困難な状態を招いており、三線製作業界の解決すべき課題となっています。

当組合では現在、後継者育成事業を始める基盤を整えるために、若手職人の仕事確保を目的とし、演奏家とコラボした「アーティストモデル三線」や「企業デザイン三線」など新たな商品開発、販路開拓を行い、若手職人の仕事を確保する仕組み作りに取り組んでいます。
熟練職人の伝統的技術技法や効率化した製作技術を若手に指導し、県産三線の生産性の向上へ繋げていきたいと考えております。

製作指導事業

“一から三線を作り上げる”をコンセプトに、短期製作体験イベントとして「三線大学」を開校しています。職人による少人数制の技術指導を行っています。

三線講話会

主に展示会期間中に開催している識者による三線講話会は、多くの方が三線についてより深い知識を得ることが出来る場になっています。
三線講話会

品質

黒木植林・造林事業

原材料となっている材木は、今ではほとんどが外国からの輸入に頼らざるを得ない状況になっています。沖縄県産の原材料を確保する活動として植林・造林事業に取り組んでいます。
黒木植林・造林事業

三線ナンバリング事業

組合員が製作した三線にはナンバリングシールを貼り、そのナンバーをデータベース化し、管理しています。そのシールは沖縄の職人によって製作された証となります。
三線ナンバリング事業

「みんなの三線」製作販売

組合員が協力し、品質にこだわり製作している「みんなの三線」の販売を行っています。初めての方にも、購入しやすい価格を実現しました。
「みんなの三線」製作販売

県内の三線職人は、時代の節目ごとに力を合わせ、その時々で組織を作り、伝統を継承してきました。

明治33年(1900) 三味線大工組合中で大工の中で最も賃金が低いので、賃金表示をし、違反をしたら違約金を示す(琉球新報 10月25日)。
戦  後 那覇市開南の現在の仏壇通りは、「三味線通り」と呼ばれ、6件以上の三線店が軒を並べた。
昭和28年(1953) 琉球三味線組合による第1回三味線展示会(琉米文化会館)で新作三線の展示、検査証を交付する『琉球三味線寶鑑(りゅうきゅうしゃみせんほうかん)』。
平成4年(1992) ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の規制種にニシキヘビなど三線の蛇皮輸入規制が取りざたされ、蛇皮の輸入緩和活動を行うため沖縄県三味線製作組合を設立。
平成18年(2006) 沖縄県三線製作事業協同組合準備会を立ち上げる。
平成20年(2008) 同会による第1回三線製作技能展開催。
平成22年(2010) 沖縄県三線製作事業協同組合(法人化)を設立。
平成24年(2012) 11月30日付で「三線」が沖縄県伝統工芸製品に指定、翌年7名の県工芸士誕生。
平成30年(2018) 11月7日付で「三線」が国の伝統的工芸品に指定。
令和2年(2020) 3名の県工芸士誕生